2025/04/30 10:25 |
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2007/02/07 21:59 |
試作機の魔窟№.010 ロッキードXP-38 |
やっぱり理想と現実は違うのね
今回は名機P-38の悪いところを穿り返そうという悪趣味企画、別にP-38が嫌いなんではなくて皮肉屋なだけです
P-38といえば山本長官の乗った一式陸攻を撃墜したりとかいろいろ話題のある機体でスカンクワークスの祖であるケリー・ジョンソンが空力担当主任をしたりして速度なんかを重視した高々度迎撃機、世界で唯一成功した双発戦闘機なんても言われていて実際に試作型のXP-38は最高速度676キロをたたき出してる傑作機なのだが問題がなかったわけでもない・・・・・
まず乗ったパイロット全員感じただろう問題で脱出が難しい、背後に水平尾翼があるもんだから無理に飛び出すと身体をぶつけたりエレベーターについてるマスバランスに引っかかったりする、あー痛い痛い
それと試作機だとあんなに突出部がなくて綺麗だったエンジンナセルにアゴとかエアインテークが付いたりしてどんどん不恰好になってる。実は最初の生産型でも空気取り入れ口とかが増えてたんだが排気タービン(ターボチャージャー)の空気取り入れ口が翼端になってて爆発事故が多発、それで最初はマスタングみたいだったエンジンナセルが最終的には(ノーズアートは描きやすくなったんだろうが)P-40みたいになっていた、きっと空力的によくしようとしすぎて冷却不足気味だったんだな。それと急降下するとエレベーターが激しいバッティングを起こして最終的には操縦不能で墜落してしまった。マスバランスを追加したりしてある程度解決できたらしいけどダイブブレーキも追加しているのを見ると根本的には無理だったみたいでドイツ軍機相手だと高々度以外では分が悪かったらしくて損害も少なくなかったとか。それと一番深刻だったのが武装とか装備を追加しようにも機体を絞りすぎたせいでスペースに余裕がなかったことで偵察機型だとレーダーポッドは機首に懸架して最終型のP-38L型でも最高速度は666キロ止まりで後期以降はP-47とP-51に代わって退役していってる。あと最初P-38にはアトランタという名前が用意されていたんだが英国空軍向けのライトニングを付けた。実はこのライトニングMk.Ⅰがどうしようもないダメ飛行機でどうもこの頃(40年中頃)の英国はドイツからの高々度爆撃をそ~と~警戒していたらしくて同じくダメ飛行機のウェルキンスが生まれたててP-38の噂を聞いた英国とフランスの兵器購入使節団が667機を注文してフランスが届く前に降伏したから英国が引き取ったんだが米国が軍事機密を理由にターボを外して(いわゆるブラックボックス部分ってやつだな)プロペラの回転方向も同じにしたところ性能がガタ落ちして受け取りを拒否、これを聞いて米国もさすがにあせったらしくてターボを戻したMk.Ⅱを作ったものの頭にきたのか必要なくなったのかは知らないがこっちも受け取らなかったんだとさ
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