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2007/03/27 04:56 |
試作機の魔窟№.016 川崎試作戦闘機キー88 |
作らなかっただけマシ?
キー88は操縦席の後ろに配置された発動機が延長軸を使って機首のプロペラを回してそこに大口径機関砲を装備した重戦闘機で、酷く簡単に言えば和製P-39エアラコブラ、機体のレイアウトとかはパクリとしか思えないほど似てるけど本当はキー64(試作機の魔窟№.004参照)を試作してるときに土井氏が前方発動機をはずしてそこに大口径機関砲を積めないかと考えたのが始まりだったらしくて図面を見ると尾翼とかは三式戦のを流用して武装はスピナーと機首下の面白いレイアウトだったらしい。
エンジンみたいな重量物を機体の真ん中に置けば重心が安定するし機首に武装を集中させれば命中精度とか強度も十分あるからなにかと好都合だった。それでモックアップまで行ったんだけどエアラコブラが運動性、高々度性能がスカで期待の大口径機関砲も戦闘機相手だとてんで役に立たなくて零戦とか隼にカモ扱いされててはたしてこのまま開発していいのかということに、それともう一個現実的な問題で搭載予定のハ140が飛燕二型改の分すらできていなかった。そこでもう開発は中止、けっきょくモックアップ審査止まりだった。
たしかに爆撃機相手なら大口径機関砲を活かした迎撃戦ができただろうけど延長軸のギアやらベアリングがちゃんと生産できたか怪しいし発動機は欠陥だらけ、そして最大の問題は飛燕と違ってキー88は空冷発動機を搭載できないことだった。
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